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外壁の遮熱塗料は本当に効果ある?屋根まで含めた暑さ対策の考え方
以前試した遮熱塗料の効果が、数年で薄れてしまった。外壁に遮熱塗料を塗ってみたけど、思ったより涼しくならなかった。そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、遮熱塗料の仕組みを改めて解説したうえで、効果が出ないと言われる理由や遮熱塗料の選び方のポイントを解説します。外壁だけでなく、屋根まで含めた工場全体の暑さ対策の考え方も紹介していますので、工場・倉庫の暑さ対策にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも遮熱塗料とは?
遮熱塗料は、塗装した屋根や壁の表面温度の上昇を抑える塗料です。遮熱塗料がどのような仕組みで温度上昇を抑制するのかを理解することが、効果を正しく理解することにつながります。
遮熱塗料の仕組み
太陽の熱は、赤外線などの電磁波にのって地球に伝わってきます。遮熱塗料は、太陽光に含まれる近赤外線を塗膜が反射することで、塗装した箇所の表面温度上昇を抑制します。

光を反射する仕組みのため、この反射率は塗料の色によって変わります。実際に計測した数値によると、白色の反射率は86.4%、黒色では45.2%というように、白に近い色ほど反射率が高くなります。ただし、白色であっても約10%の赤外線は反射できずに室内に侵入してしまいます。
反射しきれなかった赤外線は、そのまま室内を温めてしまうため、反射率が高いほど暑さ対策の効果を感じやすくなります。
断熱塗料との違い
遮熱塗料と混同されやすいのが断熱塗料です。遮熱塗料は「光を反射する」機能に特化しているのに対し、断熱塗料は「熱の伝わりを抑える」機能を持っています。熱の伝わり方が異なるため、効果を発揮する場面が異なります。

遮熱塗料は、太陽光(近赤外線)を反射し、外から建物内に熱が侵入するのを防ぎます。一方で、室内から外へ出ていく熱を反射することはできず、冬場の保温効果は期待できません。断熱塗料は、熱が伝わるスピードを遅くするため、外からの熱は時間が経てば室内に到達してしまいます。一方で、室内から外へ熱が逃げようとする際にも、熱が伝わるスピードを遅くする機能が働くため、冬場の保温効果も期待できます。
それぞれの仕組みを理解して、目的に応じて使い分けることが効果的です。
外壁に遮熱塗料を施工するメリット
外壁に遮熱塗料を施工することで期待できるメリットは、主に3つあります。外壁に遮熱塗料を施工することで、室内への熱の侵入を抑え、空調にかかる負担を軽減できます。中でも「外壁材の熱劣化を抑える」という効果は、見落とされがちですが長期的に見ると特に価値の大きいポイントです。
室内温度上昇の抑制
遮熱塗料を外壁に施工すると、塗膜が近赤外線を反射することで、外壁自体の表面温度上昇が抑制されます。外壁が熱を持つと、その熱が室内に伝わってしまうので、外壁の温度上昇を抑制することは、室内温度の上昇を抑制することにつながります。
空調効率化による電気代負担の軽減
室内温度の上昇が抑えられることで、空調の稼働負荷が下がり、電気代の負担軽減につながります。
外壁材の熱劣化を抑える
遮熱塗料によって外壁の表面温度上昇が抑えられると、紫外線や熱による外壁材そのものの劣化を抑制することができます。外壁のひび割れや塗膜の剥がれなどは、温度変化によって素材の膨張・収縮が起きたり、柔軟性が失われることで発生するためです。

外壁の修繕頻度が下がることは、長期的な修繕コストの抑制にもつながります。
外壁に遮熱塗料を施工しても効果を感じにくい理由
遮熱塗料の効果を実感しにくい場合があるのは、建物の断熱性能や施工品質、経年による汚れなど複数の要因が関係しています。遮熱塗料は万能ではなく、条件によって効果の感じ方に差が出るため、その理由を1つずつ整理します。
室内温度の上昇を抑制するには、反射率が十分でない場合がある
先述したように、遮熱塗料の色によって反射率は異なります。黒色のように、反射率がそこまで高くない色の塗料では、室内への熱侵入を防ぐことができる割合が減り、効果を感じにくくなる場合があります。
また、反射率が高い白色の塗料を選択している場合でも、反射しきれずに室内へ侵入してしまう熱によって、期待するほどは室内温度が下がらなかったというケースもあります。
ある実験では、屋根に遮熱塗料を塗っていない建物と、同じ条件の建物で屋根に白い遮熱塗料を塗った建物の屋根の表面温度を比較した結果が確認されています。結果、遮熱塗料を塗っていない屋根の温度は50.3℃だったのに対し、屋根に白い遮熱塗料を塗った建物の屋根温度は40℃でした。約10℃ほど屋根の表面温度は下がっています。

しかし、熱は温度の高いほうから低いほうへ移動する性質を持っています。人間の平均体温は36.5℃。遮熱塗料を塗った屋根の温度よりも、室内にいる人間の温度の方が低く、屋根から室内へ熱が移動してしまいます。屋根の表面温度が人の体温より高い状態が続く限り、人間の体感温度は下がりません。暑さ対策の効果をより強く実感したい場合は、より高い反射率をもつ遮熱シートなどを検討しても良いかもしれません。
施工の仕上がり(塗りムラ)によって、効果にばらつきが出る場合がある
どれだけ性能の良い遮熱塗料を選んでも、施工時に塗りムラがあると本来の反射性能が発揮されません。職人の技量による仕上がりの差が、効果のばらつきにつながることがあります。だからこそ、施工実績のある業者を選ぶことが大切です。
汚れによる経年劣化
外壁の遮熱塗料は、施工後も表面の汚れによって反射性能が徐々に低下していきます。定期的な洗浄やメンテナンスを行うことで、性能を維持しやすくなります。
冬場の寒さ対策にはほとんど寄与しない
遮熱塗料は、近赤外線(光)を反射することで室内への熱侵入を防ぎます。熱そのものを反射することはできないため、冬場の温かい室内の熱を反射することはできません。室内の温かい空気が外へ逃げてしまうことを防ぐことはできないため、冬場の寒さ対策や暖房効率の改善効果は期待できないでしょう。
外壁だけで十分?屋根まで含めた工場全体の暑さ対策
工場の暑さ対策は、外壁だけでなく屋根や窓など、室内に熱が侵入する箇所を合わせて対策することで、より効果的に暑さ対策ができます。
外壁よりも熱の影響を受けやすい屋根・窓
工場の屋根は外壁よりも日射を受ける面積・時間が長く、熱を蓄積しやすい傾向にあります。また、外壁よりも熱の出入りが多い箇所として「窓」の対策もおすすめです。


熱の侵入しやすさや、影響を受ける面積の大きさを考えると、屋根・窓・外壁の順番で優先的に対策を検討していくと効果的でしょう。外壁の対策が不要というわけではなく、外壁だけでなく屋根まで含めて検討すると、より効果を実感しやすくなります。
暑さ対策には「遮熱シート」という選択肢も
遮熱塗料を検討される方が、よく一緒に検討されるのが「遮熱シート」です。アルミ純度が高いシートでできており、高い反射性能を持つため、暑さ対策として効果を実感しやすいことが多いです。
中村コーテックで取り扱っている遮熱シート「サーモバリア」は、輻射熱の反射率が97%と遮熱塗料よりも高い反射率をもちます。

一方で、遮熱シートはアルミ箔で出来ているので色は基本的に銀色一色です。景観や、眩しさなど周辺環境への配慮が必要な場合は、遮熱シートを使用することが難しいケースもあります。例えば、景観に影響が出にくく、熱の影響を受けやすい屋根には遮熱シート、景観への影響が大きい外壁には遮熱塗料など、目的に応じて組み合わせて施工することも可能です。
建物の状態や周辺環境などの制限、目的や予算に応じて、遮熱塗料と遮熱シートを組み合わせて検討するとよいでしょう。
遮熱シートは冬の寒さ対策にもつながる
遮熱シートは、遮熱塗料とは異なり「輻射熱」を反射する性質を持ちます。夏は太陽からの輻射熱を反射し、熱が室内へ侵入するのを防ぎますが、冬は室内の輻射熱を反射して熱を外に逃がしにくくします。夏場の暑さ対策だけでなく、冬場の寒さ対策にも同時に効果を発揮するため、年間を通じたコスト削減効果が大きくなる場合があります。
ご希望の方には、コスト削減効果のシミュレーションも行うことができますので、詳しくはお問い合わせください。
外壁用の遮熱塗料を選ぶときに確認したいポイント
外壁用の遮熱塗料を選ぶ際は、屋根用との違いや、水性・無機といった種類ごとの特徴を確認することが大切です。屋根用と外壁用では求められる性能が異なるため、外壁用として設計された製品を選ぶことが基本になります。
屋根用と外壁用の違い
屋根と外壁では、求められる耐候性が異なります。屋根には折半屋根など水に強い素材が使われることが多いのに対し、外壁はサイディングやモルタルと、素材そのものが異なります。塗料は、それぞれの素材に特化して作られているため、施工する箇所に合わせて適切なものを選択しましょう。
また、外壁は屋根に比べて人の目に触れやすいため、色や仕上がりの見た目も判断の軸に含めても良いかもしれません。
水性・無機など種類による特徴

塗料には水性・溶剤系、無機・有機など複数の種類があります。
中でも無機塗料(紫外線による劣化に強いとされる、無機成分を主体とした塗料)は、現存する種類の中で最も耐候性が高いと言われています。耐候年数の目安は26年から30年程度です。中長期的な使用を見据える場合は、ランニングコストを抑えることができます。一方で、例えば数年後に建て替えを検討しているような場合に選択するのは合理的ではないでしょう。
耐候年数の長さがそのままメリットになるとは限らないため、建物の状態や求める性能、予算、今後の建て替え計画など、ご自身の状況に合わせて適切なものを選択するとよいでしょう。
よくある質問
外壁だけでも効果はありますか?
効果がないわけではありませんが、熱が侵入しやすい他の箇所(屋根・窓など)もあわせて検討していただくことをおすすめします。
遮熱塗料は効果がないと聞きましたが本当ですか?
効果がないわけではありませんが、選ぶ製品や施工品質によって効果を感じにくい場合があります。より高い遮熱効果を求める場合は、遮熱シートもおすすめです。
中村コーテックで取り扱っている遮熱シート「サーモバリア」については、こちらのページで紹介しています。
遮熱塗料を施工すると、冬に寒くなりますか?
寒さを感じやすくなる場合があります。遮熱塗料が近赤外線を反射するため、これまで入っていた光が入らなくなり、寒く感じやすくなる可能性があります。
ただ、冬は太陽光の入射角がそもそも浅く、室内に入ってくる近赤外線の量が少ないため、そこまで大きな影響はないと考えています。
外壁の修繕塗装と同時に施工できますか?
はい、対応可能です。
外壁の修繕塗装は下地(下塗り等)の工程が中心で、この部分は遮熱仕様にするかどうかに関わらず共通です。最後の仕上げであるトップコートを、通常の塗料にするか遮熱塗料にするかを選択いただけるため、外壁の修繕塗装と同時に遮熱塗装を行うことができます。
遮熱塗料の施工に補助金は使えますか?
対象になる場合があります。自治体に確認いただくことをおすすめします。
まとめ
遮熱塗料は、近赤外線を反射することで外壁の表面温度上昇を抑える塗料です。室内温度上昇の抑制・電気代負担の軽減・外壁材の熱劣化抑制というメリットがある一方、断熱性能や施工品質によって効果の感じ方に差が出ることも事実です。外壁だけでなく屋根や窓まで含めて検討することで、より効果を実感しやすくなります。
外壁の遮熱塗料が自社の工場に適しているかどうかは、建物の状態を実際に確認したうえで判断するのが確実です。
中村コーテックは、創業約65年の施工店です。遮熱塗料・断熱塗料・遮熱シートといった暑さ対策から、工場・倉庫の修繕工事まで幅広い工事メニューに対応しております。「遮熱塗料だけでなく遮熱シートにも興味があるけど、どちらがいいのか分からない」という場合でも、ご状況をお伺いしながらご提案させていただきますので、気になる方はぜひお問い合わせください。
よくある質問Q&A
現場調査からお見積り提出までを無料で行っています。工場・倉庫に関する些細なお困りごとでもお気軽にご相談ください。
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詳細は各社様に対して現場調査後のお打ち合わせ時に調整させていただきますが、最大限通常業務に支障の出ないよう配慮・手配をさせていただきます。
